2026年4月、Xに「歌ってみた」「弾いてみた」動画を投稿するときの著作権ルールが話題になりました。
大きなポイントは、XはJASRACと包括契約を結んでいるUGCサービス一覧に入っておらず、
XでJASRAC管理楽曲を使う場合は、投稿者側で個別に手続を考える必要があるという点です。
そこで今回は、Xに歌ってみた動画を投稿したい方に向けて、
JASRAC申請の流れをできるだけわかりやすく整理します。
まず最初に確認したいこと
申請に進む前に、いきなりJ-TAKTを開くのではなく、先に確認しておきたいことがあります。
JASRACの非商用配信の案内では、まず作品検索データベース「J-WID」で、
使いたい曲の権利関係を確認することが案内されています。
J-WIDは、JASRAC管理楽曲かどうかの確認だけでなく、
利用曲目報告に使うJASRAC作品コードの検索にも使われます。
また、市販のCDやダウンロード音源を使う場合は、JASRACへの申請だけでは足りないことがあります。
JASRACの案内では、この場合は著作権とは別に著作隣接権の許諾が必要で、
音源製作者やレコード会社等へ直接確認するよう案内されています。
さらに、編曲・訳詞・替え歌についてはJASRACが権利を管理していないため、権利者へ別途連絡が必要です。
非商用配信かどうかも先に見ておく
JASRACの案内では、情報料や広告料等収入がなく、営利を目的としない配信は「非商用配信」とされ、
その場合は非商用配信の手続案内を確認するよう示されています。
一方、広告料等収入がある場合や、営利法人による配信は商用配信側の扱いになります。
株式会社だけでなく、広告収入があるケースなども商用配信に入る可能性があるため、
個人だから必ず非商用とは限りません。
そのため、まずは「趣味として投稿するだけなのか」「広告収入や事業紹介につながる投稿なのか」
を整理しておくと、あとで手続を間違えにくくなります。
Xで歌ってみた動画を投稿したい個人の多くは、まず非商用配信の案内を確認する流れになります。
手続の入口はJ-TAKT
JASRACのインターネット上での音楽利用手続では、
オンラインライセンス窓口「J-TAKT」が申込窓口になっています。
JASRACの用語説明でも、J-TAKTは新規・追加の利用許諾申込、利用曲目報告、
登録内容の参照・変更などに使う窓口だと説明されています。
つまり、Xで歌ってみた動画の利用申請をする場合も、まずはJ-TAKTから進めることになります。
JASRACのX・VRChat向けFAQでも、非商用配信の許諾を希望する場合は、
J-TAKTでお客様情報と利用内容を登録すると案内されています。
まずはJ-TAKTにアクセスし、必要事項の入力を進めるのが出発点です。
J-WIDで確認する流れ
実際の申請前には、使いたい曲がJASRAC管理楽曲かどうかをJ-WIDで確認します。
JASRACの案内では、ここで権利関係を確認するよう示されており、
利用曲目報告の際にもJASRAC作品コードが必要になります。
つまり、J-WID確認は申請前にも申請後にも関係する大事な作業です。
記事としては、この部分で「曲名」「アーティスト名」などで検索し、
JASRAC管理作品かを確認する流れを案内しておくと親切です。
細かい検索操作そのものよりも、“J-WIDで管理状況を確認してから申請に進む”
という順番を伝えることが大切です。
J-TAKTで申請するときの入力ポイント
X向けの申請でわかりにくいのが、「ホームページ名」や「URL」をどう入れるのかという点です。
JASRACのX向けFAQでは、Xでの楽曲利用はアカウント単位で許諾を取得すると案内されており、
J-TAKTでの申請時には、ホームページ名に「X(旧Twitter)/@アカウント名」、
URLには許諾を希望するアカウントのプロフィールリンクを入力するよう示されています。
ここは実務上かなり重要です。
つまり、X全体について申請するのではなく、
自分のどのアカウントで利用するのかを特定して申請する形になります。
複数アカウントで使いたい場合は、その点も慎重に確認した方がよいでしょう。
少なくとも、JASRACの公式案内上は「アカウント単位」という整理です。
J-TAKT登録後は申請書の提出へ進む
JASRACの非商用配信の案内では、J-TAKTでの登録後、登録手続き完了画面に
「許諾申込書の取得はこちらへ」というボタンが表示されると案内されています。
そこから内容を確認し、申込書を提出する流れです。JASRACのX・VRChat向けFAQでは、
申請書は郵送またはメールフォームで提出すると案内されています。
許諾までどれくらいかかるのか
JASRACの非商用配信案内では、通常2週間ほどで許諾番号・許諾マークをメールで送るとされています。
X・VRChat向けFAQでも、申請書受付後、内容審査を行い、
不備がなければ2週間以内を目安に音楽利用許諾書と請求書を発送すると案内されています。
したがって、投稿時期が決まっている場合は、直前ではなく少し余裕を持って準備した方が安全です。
許諾後に必要なこと
JASRACの非商用配信手続では、許諾番号・許諾マークの案内の後に、
使用料の支払いと利用曲目の報告が必要になると示されています。
請求書に記載の支払期限までに支払い、さらに利用された楽曲情報等をJ-TAKTにアップロードして報告します。
利用曲目報告は、更新月や満了月までに利用した楽曲をまとめて報告し、報告期限はその翌月末日とされています。
つまり、申請して終わりではなく、支払いと曲目報告まで含めて手続が完了するということです。
費用はどう決まるのか
X向けFAQでは、楽曲利用に関する費用は、利用者の属性、利用目的、
利用楽曲数(同時送信可能化曲数)によって決まると案内されています。
つまり、誰でも同じ金額になるわけではなく、使い方によって変わります。
外国作品かどうかや、「広告」に当たるかどうかも確認事項として挙げられています。
申請の流れを簡単にまとめると
ここまでを整理すると、Xに歌ってみた動画を投稿したい場合の流れは、おおむね次のようになります。
まず、J-WIDで曲の権利関係を確認する。
次に、自分の利用が非商用か商用かを整理する。
そのうえで、J-TAKTで利用者情報と利用内容を登録し、Xアカウント単位で申請情報を入力する。
その後、申請書を提出し、審査を経て許諾書や請求書を受け取り、支払いと利用曲目報告まで行うという流れです。
この順番で考えると、何を先に確認すべきかがかなり整理しやすくなります。
特に、J-WID確認と、Xはアカウント単位での申請になるという点は、最初に押さえておきたいポイントです。
まとめ
Xに歌ってみた動画を投稿するときのJASRAC申請は、
1. J-WIDで管理状況を確認する
2. 非商用か商用かを整理する
3. J-TAKTで申請する
4. Xアカウント単位で情報を入力する
5. 申請書を提出し、許諾後に支払いと曲目報告まで行う
という流れで考えるとわかりやすいです。
ただし、前の記事でも触れたとおり、市販音源を使う場合の著作隣接権や、
編曲・替え歌に関する別途の権利処理までは、JASRAC申請だけでは完結しないことがあります。
申請方法だけでなく、そもそも自分の動画がどの権利処理を必要とするのかを
整理したうえで進めることが大切です。


コメント